建売住宅を、注文住宅のようにして欲しい
- 高効率のゾーニング(土地計画)
- 都心部でもできるコートヤードと庭を融合
- 資産価値が大幅に向上
- 住宅メーカーやデベロッパーが参考のために見に来る

建売住宅の玄関ポーチは、機能性ばかりで、全くストーリー性がない。
販売業者が、
「車が2台分の駐車スペースがあり、
親戚やお友達がきたとき重宝しますよ」
ぐらいが売り言葉だろう。
写真①のような機能しかないものは、無機質であまり価値が見当たらない。
まったく開放感が感じられない物件

こちらは、近所でもよく見るが、敷地延長の駐車スペースの為、車の扉が開かないパターン、車に助手席から乗るこむしかなく、日常的にストレスがたまる。写真②

写真③これは購入者が外構だけ何もせずに購入したケース。
このような物件をどうしていこうかと考えると、最初に思うことは、中から吐き出し窓を開いたとき道路から中が丸見えになるため開けられないままになる。
結果、まったく開放感が感じられない物件である。
土地としては悪い土地でない

先ず、建物としては建蔽率40%、容積率80%という用途値域で、敷地面積33坪、道幅が5.5メートル、接道が8.5メートル、土地としては悪い土地でない。
方角が良く、南が道路なので日当たりが良い。
敷地33坪だと建蔽率、容積率からすると18.2坪しか作れない、建物の一階部分が13.2坪なので、残りはだいたい20坪、何かを作らないと勿体無い。写真④
取分け、先ずは 、どんな風に仕上げたいのか依頼者に相談したところ、ご主人からは、
「建売じゃなくて注文住宅のように見せてほしい」
奥様からは、
「今は、子供とのコミュニケーションがなく、旦那が休日留守が多く、まるで私は女中さんのようだ」
まるで愚痴のように出てきたので、それではどうしたいのですか、
「もっと夢を語りませんか」、
と問い掛けたところ、
奥様からは、
『たまには料理を作ってもらいたい』
『もっと家族で楽しみ思い出を作りたい』
『子供の成績をあげたい』
『家族思いの旦那になって貰いたい』
さらに、
『家族のコミュニケーションが欲しい』
『暮らしの豊かさが欲しい』
『友人が遊びに来ても自慢できる家が欲しい』
『もっと素敵な人生にしたい』
結果から先に申し上げると、
『たまには料理を作ってもらいたい』、『子供の成績を上げたい』、
以外は大変満足していただけた。
それでは庭物語を作っていくことに!
先ずは、駐車場、車が1台停車している時のスペースは奥行5メートルと幅1メートル位あれば良い、ドアを開けると幅2.5とか2.8メートル位が必要になる。
扉が開くことを前提とするよりも、閉まっていて、開いた時に、何かと併用すると考えた方が空間の利用としては良い。写真⑤

重要な1本の振り分けの木
ここに1本の振り分けの木、これは、駐車場と奥にあるアプローチや玄関に入っていく道、空間を別ける1本の木で、非常に重要な木である。そこにアプローチを構成していく、アプローチの一部を駐車場と混じ合わせることで車の扉が開いても大丈夫な空間になる。さらに吐き出しの窓の目隠しにもなる。
プロポーションですが、これはストーリーを裏付けるいろいろな仕組みあって、まず、敷地の両側に高いものを作ることで大きさを表現している。
テラスのような駐車場
駐車場は、一般的な駐車場よりもいい空間に感じられる。それは寸法を変えているからである。アプローチと緑と駐車場がひとつの空間とすることでテラスのような感じになる。しかも、車止めのところに影があり、それが無機質な駐車場の部分に情緒をさらに吹き込んでいる。
白い箱のような空間

吐き出しに白い箱のような空間を作ることで、吐き出しが気にならなくなる。外で歩いている人が、ちょっと見たとしても窓枠に視線がいくのではなく、手前の白壁にいく。ここにフレームがあって、この脇に緑が一本あるので、非常に豊かさを感じる空間である。写真⑦
本当に奥様が満足したところは?
しかし、これで奥様が満足したわけではなくて、この後である。
白壁、これは一体なんなんだ、こういうところがデザインの面白いところで、我々がコートヤードと呼んでいるところである。

上から見たコートヤードの景色
出来上がって半年ぐらい経ってから呼ばれたときに上から撮った写真がある。写真⑧
庭で何をしたいのか質問してみると、殆どの人がバーベキューと答えます。
それだけ外で料理をする憧れや心地よさ楽しみを抱いているのだろう。
しかし、庭でバーベキューする家はあまりいないのはなぜか?
「見られるのが嫌だ」、「面倒くさい」、「後片付けが大変」などである。
奥様がニコニコして、子供達が食材を持ってきて、ご主人がホットプレートで料理が始まると、まさしく、駐車場でしかなかった空間が、インテリアのような、プライベートカフェのような、庭でもあって、部屋でもある。
ご主人はここで家族と一緒に会話をしていると大変楽しいと言っていました。写真⑨
家の中で、食事をしていると会話もなく、15分ぐらいで終わるが、ここでは、子供達が学校でこんなことがあったのとか、こんな事があるとか言ってくれる。自分の妻が、今こんなことをしているということを初めて聞いて、非常にここにいることが、楽しくて、妻も生き生きとして、素敵になってきている。
日本人にとって必要な空間
家の中の部屋とはまた違った空間として、今後、日本人にとっても必要な空間であり、プライバシーもあり、風が抜けるようになっている。天気の良いときは、外で食事ができ、主役がお父さんになると、子供に取ってもいい思い出になっていく。

風の流れとか、いろいろなことをデザインし、これはリビングからの動線と、眺め、風がながれていくと、緑も鬱蒼とするだけではなく、ポイントポイントにうまくデットスペースに置いている。
これからの住宅とは、ストーリーがあるようなものを作っていくことで価値が上がる。それが実際に暮らしていて楽しくなる。
家族が楽しいという言葉を欲するような物作りが、我々が言う、外部の空間の構成で非常に重要になる。